●大学病院時代
2011年、香川大学医学部病院に入職しました。広島から香川に来るなんで微塵も思ってなかった。入職前、大学4年の時に実習に行ってたんですが、当時の主任が、退職するタイミングだったんです。実習終わるタイミングで、その主任が、「小林!俺の代わりにくるか?」って言うんですよ。その一言で決まりました。
理学療法士、リハビリテーション、どんな仕事なのか?
病気、障害を持った方の社会復帰をサポートする仕事で、主に基本的な運動機能の維持・改善を専門とする仕事です。病院以外にも、介護現場やスポーツ分野でも活躍できるんです。
大学病院っていうところは、全部の診療科がある大きい病院なんで、眼科以外の診療科は全て見てました。1日30人くらいの方を回っていたブラックな時代もありました(笑)
大学病院は激務でしたが、幸運だったのが、週末に非常勤で外の病院に行けたこと。スポーツクリニックと介護現場を経験できました。バイト代ももらえたので、医学書買ったり、学会に行けたり、大学院に進学できたりと自己研鑽の費用にできたので、感謝感謝です。
そんな中で、専門にしていたのが、ICU(集中治療)領域です。集中治療室でリハビリなんかできるの?ってよく言われますが、ここでしなければ後が大変。病院の中では、最高で最強の治療環境にも関わらず、患者さんにとっては、ものすごく最悪の環境。いろんな機器に繋がれて、点滴がたくさん入って、動けない。寝れば寝るほど、体は弱る。だから、それを予防するんです。
大手術の翌日から、座らせたり、座らせたり、座らせたり…立たせたり。時には歩かせたり。とにかく重力に逆らわせる!言葉で言うと簡単ですが、結構大変なんです。全身の状態が不安定なので、起こして大丈夫か、起こすと何か起こりそうか、起こし方に工夫がいるか、薬の準備がいるかとか、リスク管理がとっても大変。起こし方とか、支え方の工夫には、運動学っていう難しい理論が必要で、理学療法士の専門だったんです。
なかなかリスクの高い環境なんで、医者と同じ知識がないとやってられないんですよ。まー、当時はとにかく勉強しましたね。心電図読んだり、薬の効果を予測したり、人工呼吸器の設定を理解したり、手術方法学んだり。
こんなこともやりながら、研究機関でもあったので学会発表したり、論文作成したり、教科書書いたりなんでこともやってました。学校の先生になるか!って誘われた時期もあったかな。
診療も怖いものなし、研究も少しすつ実績ができ、教育もして、側から見れば、順調な道のり
が、転職を決意しちゃったんです。
原著論文
・人工股関節置換術後早期における10m歩行テストの絶対信頼性の検討. Hip Joint Supplement.2005
・人工膝単顆置換術後6ヶ月のふだんの活動に影響する因子.JOSKAS.2017
・人工膝単顆置換術前後の生活空間の経時的変化と運動機能の関係.総合リハ.2018
・末期変形性膝関節症患者の生活空間を歩行速度から予測する.PTジャーナル.2019
・人工膝単顆置換術後の歩行効率は改善する.JOSKAS.2020 他
著書
・西村書店
クラークソン 筋・骨格系評価法ハンドブック 関節運動と筋機能テスト(共著,翻訳)
・文光堂 極める循環器理学療法(共著)
教育歴
・県立広島大学 保健福祉学部 理学療法学科 非常勤講師
・日本医療機器工業会主催 人工呼吸器の安全セミナー 講師
・香川県理学療法士会主催 研修会講師
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